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危ない経営者、伸びる経営者

2012年03月20日
「経営者の条件」を突き詰めていくと、その根源は「性格」に行き着くことになるようです。
日経ビジネスオンラインでコラムを連載する花王元会長の常盤文克氏は、その著書『コトづくりのちから』で、これからの日本企業が元気になるための最大のカギについて、下記の通り述べている。以下引用。

「経営理念は、経営ビジョン、経営戦略などを含めて集団の方向付けをする要素である。企業規模の大小にかかわりなく、そこには追い続けることに価値を見出すことができ、誇らしく思えるような理想や価値観が描かれていなくてはならない。
しかし、中小企業の場合には、前述のように明文化した経営理念や行動指針がなくても人情味豊かな創業社長がお手本となって、リーダーシップを発揮して職場と家族的な信頼関係を築いているかぎり、職場は活気づいてくる。」


つまり、企業の独自性や強みを発揮し、活き活きと働ける仕組みをもって成果を上げていくには、経営理念という抽象的な言葉も重要ながら、それだけではなく、「経営トップの経営哲学と人間的魅力を広める」ことも重要だといえます。

さて、経営者が「よい意思決定と行動」を選択していくためには、自らの性格特性を客観的につかみ、よい方向へと変化させていくことが求められるでしょう。そこで、「危ない経営者」、「伸びる経営者」について代表的な六つのタイプをみてみましょう。それらを通じて、経営者としてあるべき性格とは何か考えてみましょう。

【危ない経営者】

(1)人柄がよすぎてだまされるタイプ
共感性が高すぎて、人から頼まれるとなかなか断り切れない。親分肌の人が多く、深く考えないまま友人の保証人になったりする。熱いハートの持ち主であり、「ヨッシャ、ヨッシャ」と安請け合いするが、結果的にだまされることが多い。経営者としては最も危ないタイプであり、倒産経営者にも多く見受けられる。

(2)計数オンチ、法律オンチタイプ
計数に疎い上、法律にも無頓着な人で、自分の経験と勘に頼る判断を優先しがちである。創業社長をはじめ、たたき上げタイプの人によく見られる。シンプル、原点思考で決断力もあるが、事実を押さえることや客観性に欠けることが多く、判断を誤ると大きなヤケドを負う。いわゆる「バクチ型経営」に陥りやすいのが特徴だ。

(3)固有技術に長けるが部分最適の職人タイプ
自分が得意とする専門分野やスキルにのめり込み、こだわりが過ぎて全体最適のバランス志向がおろそかになりやすい。「患部の摘出手術に成功して患者が死ぬ」という愚を犯しかねないほど、狭い範囲に集中してしまう。「技術一流、経営三流」と評されがちな人である。

(4)自信過剰で他人の意見を聞かないタイプ
それなりに成果を生み、成功体験を積み重ねる中で自信をつけるが、それが過信となって「唯我独尊」の性格特性をつくり上げてしまう人である。うぬぼれ状態に陥ってしまい、他人の意見や助言にも耳を傾けなくなり、情報の断絶を招き、いわゆる「裸の王様」になる。過ちに気付かず判断を行うことで、やがて悪い結果を招く。

(5)前例や「常識」から踏み出せないタイプ
誠実な性格で曲がったことを嫌う人は多いが、それだけに思考パターンが保守的になりやすく、新しいチャレンジが不足気味。横並び発想で規則や前例を気にし過ぎて、斬新な着想をすることよりも、ひたすらレールの上を走ることで安堵感を覚えることが多い。未来を拓く新しい発想の芽を摘むことになりがちで、社内に沈滞ムードを招きやすい。

(6)マイナス思考のトリコになっているタイプ
物事を悲観的にとらえる習慣が身に付いた人。「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」慎重さも時には有効であるが、これが過ぎると短所や弱みばかりに目が向くこととなり、長所や強みを活かす攻めの展開ができなくなる。健全な危機意識は大切だが、マイナス思考ばかりでは志気の高揚は難しく、自分で自分の首を絞めることになる。

【伸びる経営者】

(1)理性派でありながらも情熱家
好き嫌いでなく、善悪で物事を判断する。クール・ヘッドでホット・ハートの持ち主である。「善悪>損得>好嫌」の順で理性的に判断し、人一倍の愛情や情熱の持ち主であるが、愛着、他人の評価などに負けず、毅然と撤退の決断もできる。

(2)ヒラメキに優れるが客観的な分析で検証する
自らの経験に基づき多くのヒラメキを生むが、それのみで意思決定することはなく、客観的あるいは科学的な裏付けも取る。いわゆる「仮説を立てて検証する」という行動特性を持っているため、思い付きで走って大ヤケドを負うことにはならない。経験科学というスタンスの持ち主であり、安定感がある。

(3)職人的なこだわりを持ちながらも大局観で物事を見る
「これだけは譲れない」というかたくなな主義・主張を持って物事に臨むが、こだわり過ぎて全体像、大目的を見失うことはない。自分の持つ専門分野や担当部門への執着心をベースに並外れた情熱とスキルを持ち合わせながら、全体・全社のバランスを考慮した上でためらわずに譲ることもできる人である。

(4)強みに対して自信を持つが他人の意見にも耳を傾ける
誰にも負けないと自負する、実績に裏打ちされたスキルを持っているが、思い上がることなく、常に謙虚な姿勢で周囲からの意見・助言を受け止めることができる。自分だけの判断で決定せず、貪欲に客観性を求めるため、暴走することはない。衆知結集型の意思決定ができる経営者である。

(5)ウソをつかずまじめであるが柔軟に考える
約束を守る、ウソをつかない、言ったことに責任を持つというように、極めて誠実に取り組みながらも、時流の変化を敏感にとらえ、前例を打ち破っていくセンスと勇気を持ち合わせている。固定観念にとらわれることなく、目的と本質をしっかりと把握した上で思い切って革新していける、柔軟性に長けた人である。

(6)緻密に考えるが実行段階は大胆になる
細かい点にこだわるなど、非常に慎重でナイーブな特性を持っているが、いよいよ実行段階に移った時は大胆でダイナミックな行動をとる。事前に細かな検討をきちんと行い、「あとは神のみぞ知る」と割り切ることができるため、正しくパワフルなリズムで人を動かすことができる。

(出所)ワイビーエム経営革新塾/タナベ経営「FAX REPORT」2012.3.15号より

危ない経営者、伸びる経営者

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投稿者:ワイビーエム経営研究所 │ 10:00 │ コメント(0) │ マネジメントの話

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