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なぜ企業は維持を求められるのか

2011年01月18日
現代企業の社会的意義は、永続企業体(ゴーイング・コンサーン)として「維持」することです

と指摘されていますが、私的な営利体であるはずの企業がなぜ「維持」を求められるのか、歴史的な経過を踏まえて考えてみましょう

19世紀の企業は小規模であり、つぶれたり解散したり売買されたりすることも当たり前でした
つまり、企業家個人の行為とイコールだったわけです

しかし、19世紀から20世紀にかけて、世の中は大量生産大量消費の社会に突入し、かつ、鉄道・通信の発達による市場の拡大が、企業規模を急速に巨大化させていきました

こうした企業の「大規模化」が進んでいくのですが、単なる量的変化だけではなく、企業の性格の変容ももたらしたのです。これを「大企業化」といいます

<企業の性格の変容>
1)大規模化は莫大な資本が必要。資本調達のため株式を大量発行し、創業者やオーナーはその持ち株比率を低下させ、支配力を失っていった

2)市場の拡大に伴い、企業は高度かつ複雑な管理を必要とする「組織」となり、専門経営者により動かされていった

3)「組織」になったということは、企業活動が私的到富としての企業家の個人的行為から、複数の人間の組織目標達成のための協働行為になったということである。経営も、ヒト・モノ・カネを集め結合することから、組織の維持・発展=管理へと変化した

4)大規模化した企業に勤める人は増大するばかり。社会の圧倒的多数がサラリーマンとなった。企業に勤める人は、企業から収入を得るだけでなく、社会的地位や人間関係、やりがい・生きがいをも得るようになった

5)企業間のネットワークは緊密化・複雑化し、企業が相互に与えあう影響力も巨大になった

6)人々が望む福祉国家を目指すには、企業が生み出す富なくしては様々なサービスを十分に提供することが難しくなった

こうして企業は何よりも維持・発展を求められ、つぶれることが許されない「制度」となりました
これが、永続企業体(ゴーイング・コンサーン)としての企業です

そして、それまでの所有者・株主の「私的到富手段」であったものが、「準公的会社」となり、企業の目的も「利潤追求」から「企業の維持・存続」へと変容していったのです

また、ドラッカーはこのことを捉え、現代企業の目的は「顧客の創造」と喝破していますね
「私的到富手段」から「準公的会社」への変容は、「株式会社革命(静かなる革命)」とも呼ばれ、バーリ=ミーンズが当時のアメリカ大企業への調査に基づき言及しています。

参考・引用文献:『企業論』有斐閣アルマ、三戸 浩 (著), 勝部 伸夫 (著), 池内 秀己 (著)

ちょっと、堅い話で長くなっちゃいましたね


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投稿者:ワイビーエム経営研究所 │ 13:17 │ コメント(0) │ マネジメントの話

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