3月も今日を入れてあと3日。まだ肌寒い日が続いていますが、新年度の4月が始まります。
そして、4月が年度初めの企業さんも多くあるのではないでしょうか。
さて、今日はいろんなものがスタートする4月、ということで、
新規事業・新規分野にチャレンジする際の着眼点についてお話しましょう。
ご相談いただくことの1つに、新規事業・新規分野にチャレンジするか否か、があります。
新規事業や新分野の開発は、特に中小企業にとっては、企業の盛衰をかけた取り組みです。それだけに、中途半端な戦略を立てることがないよう、3~5年の中期経営計画において、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)と相談しながら、
社長さんのご意志を確認させていただいております。
新規事業・新規分野へのチャレンジが、中途半端な取り組みにならないようにするための着眼は、次に述べる5点に集約できます。
1)新規事業・新分野開発の目標値を設定する
「目標の設定がないものは事業と言わない」とは、経営学者ピーター・F・ドラッカーの教えである。まさしくその通りで、事業では売上高、粗利益、営業利益、経常利益の目標値を設定することが肝要である。
その際には、ぜひ注意していただきたいことがある。それは、年間の数値目標のみを設定するのではなく、月間ベースでマネジメントしていくことができるように設定する必要があるということだ。また、目標設定する際は、一気に高い目標を設定せず、段階を踏みながら目標を達成していく形にする。
2)目標達成のためのストーリーを決める
目標値を設定した後は、目標達成のためのストーリーを組み立てることだ。この際に重要なことは、毎日・毎週・毎月・四半期・半期・年間という時間軸で、ストーリーを明確にすることである。すなわち、目標達成のために毎日行うことは何か、毎週行うことは何か――などという時間軸に立ったストーリーの展開図を、経営戦略に盛り込むことが重要である。
このストーリーは、経営者自身や経営幹部のメンバーだけではなく、一般社員まで新規事業、新分野の目標達成にコミットさせる。
3)目標達成ストーリーを行動計画に落とし込む
目標達成ストーリーを策定したら、次は行動計画への落とし込みである。その際のポイントは、「誰が、いつまでに、何を、いかなる方法で実行するか」である。さらに、「実行結果の検証」をどのような形で行うかを決めておくことである。
そして、貴重な経営資源をムダにしないためにも行動計画を遂行、徹底をするための結果・成果の検証機能を構築し、基本動作として型決めしてしまうことが大切である。
4)実行推進する組織体制と役割・責任を明確にする
新規事業・新分野における目標値設定と達成のためのストーリー策定、および行動計画と実行結果・成果の検証の仕組みが出来上がれば、最後は新規事業・新分野の育成をするための組織体制と役割・責任を明確にする。
すなわち、経営方針書および中期ビジョンをつくる際は、必ず組織図の策定も行う。新規事業・新分野の組織機能は誰の下でコントロールされ、誰が担当責任者で、誰が担当者として組織機能を果たすのかを明確に示すことである。誰の責任の下で、誰が実行責任者で、誰が担当者として組織機能を果たしているのかを明らかにすることが大切になるのである。
5)「決断」に必要な判断基準を持つ
新規事業、新分野を育成していくためには、前述した内容が最低限必要である。こうした着眼点が経営戦略の中に盛り込まれないと、結果的に新規事業・新分野開発は失敗することになる。数多くの企業が、この点で失敗しているのだ。
一方で、新規事業・新分野の撤退基準も明確にする必要性がある。なぜならダメな事業・分野を続けることは経営資源のムダ使いになり、経営自体を危険にさらす場合もあるからだ。
現実を直視できる判断基準を常に持つことも、経営者の重大な仕事である。「決断」すべき基準を新規事業・新分野プランに書き添えていただきたい。
(出所)ワイビーエム経営革新塾/タナベ経営「FAX REPORT」2012.3.25号より
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